もしも家が傾いてしまったら

新築してからおよそ2年ぐらい経過したAさん宅。
道路側に家全体が傾いています。

何故?・・・・・

地盤調査はしたのに!
地盤は問題ないと言っていたのに!

建築した会社に問い合わせてみました。

建築会社からは
『調査してみます』の回答が・・・・・。

その2週間後、調査結果を持って担当者がやって来た。

奥行7.2メートルの住宅が、道路側に60㎜傾いているとのこと。
住宅性能の基準となる 6/1000 を超えた傾きです。

明らかに構造上の瑕疵となります。

この敷地は、道路側が盛土で造成された住宅地であり、軟弱地盤である可能性が高いケースです。

地盤調査では3~4ヶ所のポイントを調査しますが、たまたま礫層にぶつかって、軟弱地盤であることが把握出来ていなかったことが原因と思われます。

傾いた家を直す事ができるのか?

軟弱地盤に建物を建てる場合には、必ず杭打工事や地盤改良工事を行います。

さて・・・・・
既に建ってしまった住宅の基礎の下に、杭打工事や地盤改良工事をすることが出来るのでしょうか?
住宅をフンワリと宙に浮かべて、杭打工事を行う方法・・・・・魔法の世界ですね!
横に移動しておいて杭打工事を行い、元に戻す方法・・・・・費用と敷地にゆとりが無いと無理ですね!

ではどんな方法なら可能でしょうか?

  • 基礎の下に杭打工事が出来る作業スペースを作ります。
  • 杭を打つには重機が必要ですが、重機の代わりに建物の自重を利用します。
  • 本来の支持地盤まで杭は建物の重さを利用して押し込まれて行きます。
  • 支持地盤に到達したら、これまで下がっていた基礎が上がってきます。
簡単に言うと以上のような方法です。


床下へもぐる為のの入口を作るこの方法は、まず住宅の廻りの敷地のどこかに1ヵ所穴を明けます。そして床下にまるでモグラの巣のような坑道を作ります。だから『モグラ工法』と名づけられています。


床下に作られた坑道この坑道が杭工事を行う為の作業スペースです。穴の深さは人が通れるぐらいの深さです。巾は1メートル程度の巾で基礎の廻りに坑道を作っていきます。


油圧ジャッキで鋼管杭を押し込む極めて自然で、極めて原理に則った工法です。そしてすごく地味な工法です。ご近所からは『何か工事をしているようだけど、何をしているのかしら?』と、不思議に思われるかもしれません。何故なら、坑道を掘り終わった後は、ダンプも来ません、土を掘り出すベルトコンベアの音もしません。鋼管杭は音も無く押し込まれて行きます。音がするのは、時々使われるエンジンウエルダーの音です。これは、鋼管杭のつなぎ目を溶接する時の音ですね。こうして時間をかけて1ヶ所ずつ鋼管杭を支持地盤まで押し込む作業が続きます。通常の住宅ですと、およそ40ヶ所ぐらいに杭を入れていきます。


手動で基礎のレベルを合わせる杭がすべて押し込まれたら、下がっている部分を上げる作業に入ります。最後の工程は手作業によるジャッキアップで行います。何故なら、油圧では微妙な調整が出来ないからです。完了後の水平精度は、数ミリの精度を求めますので、手作業で行います。

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